利益最優先?ミッション発信とか正直ピンとこない方へ

利益最優先?ミッション発信とか正直ピンとこない方へ

「企業の目的は利益ではない」
とはいえ、売上げて利益出さないと
経営できないんだよ…

利益に関心がいくのは経営者として当たり前。
ミッションなんて所詮キレイゴトじゃないか、と思われる方もいますよね。

今日の記事は、そんなモヤモヤを抱えた方にこそ読んで頂きたい内容です。

利益は大事です。売上を上げて組織を存続させることは簡単ではありません。
経営者なら毎月の資金繰りに悩むことだってありますね。

ミッションとか決めたって、何の売上の足しにもならないのに…
そう思われる方もいるかもしれません。

「マネジメント」の概念を世に知らしめたピーター・ドラッカーは著作
「現代の経営」で確かにこんな言葉を述べています。

事業体とは何かを問われると、たいていの企業人は利益を得るための組織と
答える。たいていの経済学者も同じように答える。
この答えは間違いなだけではない。的はずれである。

ピーター・ドラッカー著「現代の経営」より

また同時に、同著作ではドラッカーはこうも述べています。

もちろん、利益が重要でないということではない。利益は、企業や事業の
目的ではなく、条件なのである。また利益は、事業における意思決定の
理由や原因や根拠ではなく、妥当性の尺度なのである。

ピーター・ドラッカー著「現代の経営」より

ええと…つまり?

つまり、企業は社会的責任を果たすためにある
企業が活動を継続していく条件、そして社会的にきちんと責任を果たしているか
判断するための基準が利潤や利益だということなのです。

企業の価値は数字だけではなく、社会的責任(CSR)からも測られる。

こんにちは、
ミッション発信コンサルタント兼ライターの多田百合惠です。

お金儲けを企業が継続していくためには、社会的責任を意識した経営が必要
ということが、ドラッカーの言葉からは見えてくるのですが、今日は
「お金儲けのためにも社会的責任を見据えたミッションが必要」ということを
データを用いつつお話していきたいと思います。

1. ミッションと売上げの相関性

1.1 経営理念があるほど売上が上がる確率が高い

まず、結論から言いますと「企業理念があるほど売上が上がる確率が高い」
のですが、ご存じでしたか?

えっ、そうなの?理念のあるなしが売上に影響するの?

宮田矢八郎著「収益結晶化理論」(ダイヤモンド社)によると、
このようなデータが示されています。

売上~2.5億円の企業=「理念がある」が47%
売上~10億円の企業=「理念がある」が57%
売上~30億円の企業=「理念がある」が70%
売上30億円以上の企業=「理念がある」が76%

宮田矢八郎著「収益結晶化理論-「TKC経営指標」における「優良企業」の研究」より

売上規模が上がるにつれ、企業理念がきちんと作られていることが
分かります。

でもねえ…30億円以上の企業でも76%でしょ。
これだけだと納得はできないかなあ。

そうですね。
では実際に企業経営されている方からの声をご紹介しましょう。

1.2 ミッションの共有・浸透で企業に起こる良い変化

株式会社ジョンソンホームズ常務執行役員、ヤマチユナイテッドグループ常務
川田新平氏は、ヤマチユナイテッド100VISION経営コラムで次のように
書いておられます。

ミッションの共有・浸透で何が起こったかというと、まず、明らかに
社員がいきいきと輝き始めました。
どの部署も目を見張るほど活性化し始め、気がつけば社員が自発的に、
お客様や仲間の役に立つことはないか、どうしたら自分たちがもっと
楽しく働けるかを考え、とんでもなく走り出していたのです。

また、入社する社員が変わりました。
お客様、ひいては社会を幸せにする価値を提供しているという考えや、
自分がどんな働き方ができるかに共感した人が入ってくるのです。

さらにいろいろな社員が輝き始めたことで、業績が大きく変わりました。
お客様に喜んでもらうための過程を本気で楽しみ、その社員たちの活躍が
会社の利益や、新たな顧客サービスを生み出すことにつながっています。

ヤマチユナイテッド100VISION経営コラム「 会社におけるミッションの意味。ミッションは浸透させることが重要 」より

ミッションを定め、共有・浸透させることが、今の職場環境の改善から
人材採用、業績向上などに役立っていることが伝わります。

業績向上はもちろんだけど、いい人材を確保するのも
企業にとって大事なことだからねえ

現場の経営者の声は説得力がありますね。
弊社(株)心の文章やでも、ミッションを言葉にする仕事が少しずつ
増えてきました。

その背景には、ミッションを発信することが、社外的な評価を高め
企業価値を上げることにもつながると気付く方が増えてきたのかなと
感じています。

弊社は小さな企業ですが、サイトを見て下さった方がミッションから評価下さることも、

2. 企業の社会的責任に対する関心の高まり

2.1 本来のCSRと企業活動

ミッションとか掲げている企業って確かにかっこいい気は
するけれど、「企業価値を上げる」まで言っちゃうの?

そうですね…まずはちょっと、ドラッカーも言っている企業の目的
「社会的責任を果たす」ことから確認していきましょうか。

日本だとCSRって言葉が、どこか空回って、「社会貢献」という表面的な
捉えられ方をされてますからね。
それこそ寄付活動とかボランティア活動がイコールCSRと思われがちです。

え、違うの?CSRって社会貢献でしょ?

CSRって Corporate Social Responsibility の略なのですが、直訳すると
「企業の社会的責任」ですね。

本来のCSRは、戦略として企業と関わるステークホルダー(利害関係者)つまり
顧客、ビジネスパートナー、従業員といった全ての方の期待やニーズに応える
ために行うもの
なのですよね。

欧州委員会が2011年10月に発行した 「CSRに関する欧州連合新戦略」 いわく
CSRは 「株主、広くはそのほかステークホルダーと社会の間での共通価値の
創造(CSV)の最大化
」と「企業の潜在的悪影響の特定、防止、軽減」の2つを推進するものなのです。

決して場当たり的に決めて実行するのがCSRではなくて、
企業の根本的なミッションと深く関連して、社会やステークホルダーに価値を
提供していくための「企業活動そのもの」とも言える考え方なのです。

企業は社会的責任を果たす役割をもつ。それが企業のミッションとも言える。

ちなみに、CSRにおける取り組みがもっとも進んでいるのが欧州であり、
日本でも企業評価においてCSRの比重は高まってきています。

日本とヨーロッパのCSRの違いをより学ぶには、こちらの書籍などを
読んで頂くと学びが深まりますね。

2.2 国連で採択されたSDGsと企業の取り組みへの注目

さらに、国連で採択されたSDGs。
これが日本でも注目されていることで、ミッションを真剣に考えないと
企業のイメージダウンにつながりかねないことにもなっています。

SDGs。SDGs、
そうだよね、うんうん
(横文字多くて混乱するな。何だったかな…)

SDGs。
2015年9月 ニューヨークの国連本部で開催された「持続可能な開発サミット」で
地球規模で取り組むべき大きな国際目標として採択されたものですね。

Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)
を略して、SDGsといいます。

国連に加盟するすべての国が、2016年から2030年までの15年間にわたって、
達成に向け取り組むべき共通目標とされていまして、もちろん日本は国連に
加盟してますから、日本企業にとっても他人事ではありません。

©外務省「JAPAN SDGs Action Platform」より

日本におけるSDGsの取り組み例などは、外務省のページをご覧頂くと
よいでしょう。国として推し進めていることがよく分かります。

SGDsという世界、そして国が達成するために動いている目標に対して
企業が果たす役割が注目されています。

SDGsを達成するために企業として商品サービスをどう変えていくのか。

新たな市場開拓や事業機会の創出、投資家の評価向上、企業ブランディング
従業員の意識向上…

様々な効果が期待される反面、SDGs 達成に向けて戦略的に実行しているか
どうかで企業にとっても大きく差がつきそうな領域でもあります。

SDGsとCSRについては、書籍「SDGs経営の時代に求められるCSRとは何か」
良著ですね。CSR活動に関わる方はぜひお読み頂きたいです。

CSRもSGDsも戦略的に実行してこそ意味があるものです。
そしてその実行の軸には、企業のミッションが存在します。

「あなた方の企業は社会においてどういう責任を果たすのですか?」が
世界的に問われる今、企業のミッションをしっかり定めなくては、問いに
答えることもできないのです。

経営者はもちろん、社員などのステークホルダーがあなたの会社の
ミッションを答えられるのか?浸透しているのか?

弊社もこれから大きくなっていく企業ですから、戦略として考えていかなくては
いけないなと自戒しています。

3 まとめ

では、まとめをいたしましょう。

  • 企業の売上が大きい企業ほど、理念がある割合が大きく、経営者からもミッション共有・浸透の重要性を指摘する声がある。
  • 企業のCSRの本質は、ステークホルダーに応える戦略であり、企業活動そのもの。
  • 日本でもSDGsに注目が集まる中、企業価値を高めるためにも軸としてミッションを定める必要が高まっている

なるほどね。理念ってキレイゴトだなって少し
思っていたけれど、長期的には利益につながるのか…

確かにミッションそのものはお金儲けには役立ちませんが、長期的な利益や
組織としての繁栄を考えるなら、ぜひミッションの言語化と共有・浸透を
すぐにでも試みて頂きたいと思います。

お読み頂き、ありがとうございました!

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