書籍「金持ち父さん貧乏父さん」他:出版に問われるミッション

お金の哲学、投資のマインドなどを学べるビジネス書で
言わずと知れたベストセラー本、ロバート・キヨサキの
「金持ち父さん貧乏父さん」

「金持ち父さん貧乏父さん」
なかなか衝撃的な本だったね

ベストセラーの本には、ベストセラーになるだけの理由があります。
時流や市場の動向ももちろん左右しますが、長く売れる本には明確な
著者や出版社のミッションが表れていますね。

出版業界は厳しいと言われるが、ブランドの確立として本を出したい人は多い。

こんにちは、
ミッション発信コンサルタント兼ライターの多田百合惠です。
あらためて経営者として「お金」を学ぶべく、以前購入した
ロバート・キヨサキ「金持ち父さん貧乏父さん」を読み返してみたのですが…

今だから気づける学びがたくさんありました。
そして、本を通じて明確にミッションが示されていることも再認識しました。

今回は、「金持ち父さん貧乏父さん」を通じて、本を出版するには
ミッションが重要ではないか?という考えを考察したいと思います。

1 本を出版したい人に問われるもの

1.1 スキル・実績そして人脈(リスト)

まずは、商業出版のあり方そのものから、本を出すために必要な
「企画書」に何が求められるのかを考えてみましょう。

本を出す…か、憧れてはいるんだけれど
文章を書くのも苦手だしね

実は、文章力は求められている必須事項ではないってご存じでしたか?
中身さえ決まっていれば、ライターに文章は書いてもらうこともできます。
本を出すために問われるのは、文章力ではないのです。

商業出版は当然ビジネスであり、出版社は質の高いコンテンツを
毎月出版していくことが責務です。そして売るために施策を練ります。

売れる本を出すためには何が必要でしょうか?

当然、本の中身がスカスカでは売れませんから、著者のスキルや実績
重要になるのは間違いありません。

それに加えて、あなたが本を出したときにすぐに買ってくれそうな人が
どれくらいの人数いるのか?が大事になります。

人脈(リスト)が極めて大事な要素です。

Twitterでのフォロワー数
Youtubeチャンネルの登録者数
メールマガジンやLINEの登録者数…

これらの明確なリストの数が出版社に売れる見込みを感じさせます。
出版すれば売れるという時代ではないので、著者自身が本を売っていく力が
求められるわけですね。

毎月どれだけの新刊が出されるかを考えると、本を出せば売れるわけではないのは明らかです。

では、自分がスキルや実績が足りないなら本は出せないのでしょうか?
では、リストが不十分だと本を出すための企画書は通らないのでしょうか?

必ずしもそうとは言えない、と私は思います。
出版することで果たされる社会的意義が大きく、著者に情熱があるならば
スキルや実績、リストの問題は超えていける可能性があります。

1.2 出版することの社会的意義と著者の情熱

たとえば近年のベストセラーにこんな本があります。

キムスヒョン著「私は私のままで生きることにした」ですね。

韓国で70万部突破のベストセラーエッセイ
日本でも大反響! 発売から3カ月で15万部突破! 
(2019年5月現在)

「いつも、人からどう見られるかを気にしていた」
「これから私は、私のままで生きることにした」
幅広い世代が共感!
“私のままで生きることにした”人、増えてます!

Amazonの書籍説明より抜粋

韓国で70万部突破のエッセイではありますが、著者が日本にリストを
持っていたわけはありません。

同名の俳優キムスヒョンさんなら芸能人ですからYoutube等を通じて
リストがあったことも考えられますが、韓国の本が日本で売れることは
事例として少ないようです。

著者であるキムスヒョンさん(イラストレーター・作家)のインタビューが
こちらのワニブックスのサイトに記載されています。

自分自身の中途半端な年齢や経歴、実力に悩んだキムスヒョンさん
彼女を出版へと導いたのは次のような想いだったそうです。

「このまま周りと同じように“普通に”生きていきたいけれど、
それは現代社会において非常に難しいこと。だからと言って、
“自分らしく本を書く”ということも決して簡単ではない。
いや、どちらかといえば“自分らしく”生きる方がより難しいかも……。
どちらも難しいのであれば、より自分らしく生きていく方を選んでみよう!」

ワニブックスのキムスヒョンさんインタビュー記事<前編>より

「自分だけ中途半端なのでは?」
「自分だけ損をしているような気がする……」
そんな気持ちになるのはあなただけじゃないですよ、ということを、
本書を通じて伝えたいと思いました。私自身をふくめ、みんな同じことで
悩んでいるんだよ、と言いたかったのです。

ワニブックスのキムスヒョンさんインタビュー記事<前編>より

本の内容が時流にマッチしたということもあるでしょう。
運もあったかもしれません。

でも、この本が韓国で売れ、そして日本でも出版されて
ベストセラーになった理由として、
「人と比べて苦しむ若者達を中心に価値ある内容」としての社会的意義
そして「伝えたいという著者の情熱」が揃ったから
だと思います。

レビューを見ても
生きる応援になったという声があったね

著者と同じように「生きづらさ」に苦しむ人達に「自分をもっと大切に
幸せになろう」と伝えるミッション
が、この本にはあったのですね。

そして、社会に対しても「人と比べず自分を愛することが普通になる」
社会であってほしいという等身大のメッセージを届けたことが価値
だと
思います。

2 ベストセラー本「金持ち父さん貧乏父さん」のミッション

2.1 書籍タイトルに見るミッション

では、あらためて「金持ち父さん貧乏父さん」のミッションも見てみましょう。

本のミッションが一番わかりやすい部分の一つがタイトルです。

タイトル…って
「金持ち父さん貧乏父さん」でしょ
ミッションって言われてもピンとこないよ

注目して頂きたいのは副題なのです。
「金持ち父さん貧乏父さん アメリカの金持ちが教えてくれるお金の哲学

日本語訳ではあえて「お金の哲学」という表現にされていますが
英語の原題は
「Rich Dad, Poor Dad What The Rich Teach Their Kids About Money

つまり、アメリカの金持ちが
【子どもたち】にお金をどう教えているか?ということです。

さらに前書きを見てみると、本書のミッションは「教育」であり
次世代の「子どもたち」にお金の学びをどう伝えていくべきか?
が主題だと
シャロン・レクターとロバート・キヨサキの出会いのストーリーとして
詳しく書かれています。

日本だとどちらかと言えばアムウェイといったネットワークビジネスの本として
取り上げられることも多いのですが、子どもに対するお金の教育が本来の
主題であり、著者二人にとってのミッションでした。

2.2 「金持ち父さん貧乏父さん」の前書きに見るミッション

「金持ち父さん貧乏父さん」のミッションである子どもに対する
お金の教育への危機感や問題意識は、前書きに明言されています。

前書きのタイトルは「いま子どもたちに必要なこと」
そして、前書きの右側ページには、こう記されています。

子どもにとっての最良の教師、全世界の親たちに捧げる

「金持ち父さん貧乏父さん」(2000年発売版)より

時代が激変していくなかで、普通に就職して会社員として稼いでいく方法が
子どもにとって「いいこと」とは言えなくなった。
だからこそ、子どもに正しいお金の知識を教えなくてはいけない。
教えられる親を育てなくてはいけない。

それが「金持ち父さん貧乏父さん」の著者たちのミッションなのです。

ちょっと「金持ち父さん貧乏父さん」を誤解していた気がするなあ…教育の本なのか。

ロバート・キヨサキの子どもへのお金の教育に対する情熱があったからこそ
共著者シャロン・レクターが賛同し、本著は出版まで至った。
前書きを見る限り、ミッションが彼らを動かしていたのです。

単なるノウハウ本ではなかったことが、「金持ち父さん貧乏父さん」が
世界中で多くの人に影響を与える書籍になった理由だと思います。

気になる方は、ぜひあらためて「金持ち父さん貧乏父さん」
読み返してみて下さいね。

3 まとめ

では、まとめをいたしましょう。

  • 商業出版で本を出すには、著者のスキルや実績、人脈(リスト)が問われる
  • スキルや実績、リストが不足していても、出版する社会的意義や著者の熱意次第で企画が通ることもある
  • 「金持ち父さん貧乏父さん」はスキルやノウハウだけの企画ではなく、子ども達に時代に合ったお金の教育を広めたいというミッションが一貫した本である

本を出すためには企画書を書くことが大事です。
市場や時流を見る必要もありますが、まず社会に価値を提供したい!という
情熱やあなたのミッションが定まっていなければ始まらないのです。

商業出版は厳しい道ですから。
だからこそ、あなたのミッションにおいて、自分の経験やスキル、
あるいはストーリーを世に広めたいと願うなら、
どうぞ本を出す夢を諦めないでくださいね。

お読み頂き、ありがとうございました!

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